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大学では自動車部に所属していたこともあり、「卒業後は人を乗せて走る車に関わる仕事をしたい」と思っていました。そんな中、バス運転士を目指したきっかけは高速バスです。大学は愛知県にあり、地元静岡へと帰省するたびに高速バスを利用していた私は、いつしか、「バス運転士もいいな」と考えるようになりました。当時、大卒者のバス運転士は少なかったのですが、決意は変わりませんでしたし、両親も背中を押してくれました。バス運転士歴は今年(2020年)で17年。6年前から運転士への点呼執行を行う運行助役も兼務で担当しています。
1日のスケジュール
Time Schedule
- 13:00
- 出社・引継ぎ
それまで点呼執行をしていた担当者から引継ぎ事項を聞き、交代。点呼業務開始。
- 01:00
- 点呼終了
無事、全てのバスが営業所に戻り、最後の到着点呼をとり本日の点呼業務終了。就寝。
- 05:00
- 起床・点呼開始
朝一番のバスの出発点呼から業務開始。ひとり一人に交通状況等の注意事項を伝達。
- 10:30
- 引継ぎ・退社
次の点呼執行者に引継ぎ事項を伝え、業務終了。
全員の連携プレーでお客様の安全を守る
現在は運行助役も兼務しています。運行助役は、安全かつスムーズなバスの運行を守る“守護神”のような存在。どの運転士がどの路線を担当するのかを示す「勤務表」を作成し、当日は交通渋滞や交通事故等による道路状況の変化に応じて、運転士に無線で指示をします。全員の連携プレーでお客様の安全を守る仕事にやりがいを感じますね。スピード・正確性・判断力に加えて、運転士の体調や顔色を見る観察力も求められるので、失敗もありました。正直、「自分に向いていないのでは?」と悩むこともありましたが、失敗からの学びは大きく、おかげで視野は広がりました。今の業務に挑戦するきっかけをくれた上司には感謝しています。
目標は“守護神”の領域に到達すること
今、私には二つの目標があります。一つは、運転士として、20年間無事故表彰を獲得すること。運転士10年目にいただいた10年間無事故表彰は私の一番の宝です。これからも“運転技術・接客技術にゴールはない”をモットーに、安全で快適な運転を続けていきたいですね。もう一つは、運行助役として、“守護神”の領域に到達すること。実現できるかどうかわかりませんが、運転士が気持ちよく勤務できる環境を整え、トラブルにならないよう的確な指示を出せれば、それがひいては、お客様の安全と快適につながるのだと思うと、頑張ろうという気持ちが湧いてきます。コツコツと経験を積みながら、次なる高みにチャレンジしていきたいです。
運転士は“店長”。自分なりに工夫をしています
バス運転士の仕事は、バスを運転してお客様を目的地にお届けする、だけではありません。大事なのは、“安全に”お届けすること。だから、毎日緊張感をしっかり持って運転します。お客様をが全員降りた瞬間は本当にホッとしますし、その安堵感は運転士になって16年経つ今も変わりません。また、バスをお店に例えるなら、運転士は“店長”。お客様が快適に過ごせる空間をつくるのも店長である運転士の役目です。発進・停止が急にならないよう気をつけたり、乗降時にお客様に声を掛けたり……と、自分なりに工夫をしています。「快適だったよ」、お客様がバスを降りる際に、私の顔を見てそんな風に言ってくださったときは、本当にモチベーションが上がります。